2008年08月27日

めり張り

 空はまた涼しさを取り戻しつつある。日の落ちる時刻が、再び早まってきたのを感じる。


 専大サッカー部では今I リーグの合間を縫うように、強化合宿、遠征が続いている。Bチームの御殿場合宿終了と同時に、次はトップチームの御殿場入りが。後期リーグ戦が待ち望まれる中、選手たちの成長と挑戦が続いている。
 I リーグでは現在、思わしくない結果に苦戦している。連敗脱出に向けた鍵を各チームが模索中。合宿中、I リーグメンバーとして活躍する選手達と同じチームになり感じたことがある。選手個人のモチベーションの高さだ。それでも簡単には追求する勝ちに至らない。チームスポーツならではの難しさを再確認した。
 もちろん、チームとして勝つことだけが全てじゃない。只、時として負けられない戦いはある。「絶対に負けられない戦いがある」というよく聞くフレーズがそれ。暗に引き分けを勧めるようなこのフレーズには前々から違和感があった。けれど、最近少し分かる気がしている。勝つために何をするべきか、専大にはそれを知った選手がいる。その上で、格上のチームに胸を借りるんだという謙虚さと、簡単に負けるようなことだけはしないという意地が必要になる。これは専大の看板を背負うことに少し通じている気がする。


 これから太陽の日差しは、熱気に柔らかさを帯びていく。だが、それは急にではない。徐々に徐々に。積み重ね準備されてきたものが、ようやく成果として表れていくだけの話。準備するあわただしさは、太陽自身にしか分からない。その分、結果として現れた時、結果を受け止めた者の喜びと驚きは、ひとしおに感じられる。遅かれ早かれ、専大なら内容ある勝利を積み重ねていける。また、そうでなければいけない。チームの方針を変えることなく、しなやかに対応できるはず。どの試合も全力でいくことと、どの試合でも勝ち点を積み重ねることとは矛盾しない。只、勝負所を見極めること。チームとして、意識的に専大タイム(攻勢をかける時間)を作ることができれば、結果も自ずとついてくる。
 

2008年08月20日

爽やかさ

 湿度は思った以上にに体力を奪っていく。目には見えない変化が、そこには起こっている。


 専大サッカー部は、先週末のサマーカップ組、今週末からの御殿場合宿組など、各種大会、遠征に挑んでいる。その中で、実際に湿度の違いを肌で感じ取ってきた選手もいるようだ。選手によっては、この時期の経験が貴重な糧、ターニングポイントになる可能性もある。
 一方、北グラに残り、後期に向けた課題克服、攻撃の組み立てに余念のないトップチームの姿がそこにある。ゲーム形式を多く取り入れたメニューの中で、互いのイメージを確かめ合ったり、効率のいい攻め手を探る。紅白戦では、互いにやりやすい場面もあれば、逆にやりにくい場面もあるようだ。互いに特徴の知れ渡った仲だからこそ生まれる難しさだろうか。
 トップチームに限らず、紅白戦は行われる。その中で、玉際、せめぎ合う場面でもっと競り合っていい。同じチームメイトだからこそ、厳しい勝負を挑んだり、酷なプレーを展開していく必要がある。その瞬間は辛くても、のちのち互いのチームの、さらには個人の為に繋がるから。妥協なく切磋琢磨する姿には、爽快感が残る。


 話は変わって、北京五輪について。つい先ほど観ていた、シンクロナイズドスイミング・デュエット決勝で、日本が銅メダルを獲得していた。優勝は強豪ロシア・ペア。シンクロの採点項目には、次の、①テクニカル・メリット(同調性・難易度)②アーティスティック・インプレッション(構成・演技態度・曲想解釈)があるそうだ。中でも、ロシア・ペアの演技には、テクニカル・メリットで、ジャッジ全員が満点(10,0)を付けていた。にも関わらず、アーティスティック・インプレッションでは満点に至らなかった。それだけ、表現、印象、演技力、美しさといったものの定義は評価が割れるということだろう。技術とは違う難しさがそこにある。
 専大サッカーが魅力あるサッカーをするためには。挑戦はまだ始まったばかり。攻撃、堅守、セットプレー、サインプレー。魅力は観衆の心を捉えた時始めて、生まれたことに気付く。誰が見ても美しいサッカーなどいらない。しかし、観てくれた人に響くサッカーを。まずはそこから。胸を張ってサッカーをしたい。

2008年08月13日

迫力

 鳴り止まないセミ時雨。暑さの中、少し耳障りな程精一杯なその音。そこに「何かを伝えたいんだ」という気迫を感じる。


 専大サッカー部は現在、2部練習真っ只中。トップチーム、Bチーム、スタッフ、マネージャー、怪我人関係なく一つ太陽の下、みんな汗を流す。午前中、午後ともに太陽の容赦無い照り付けを感じる中、自分たちのサッカー作りに、一歩でも近づくため余念が無い。
 学生にとっては夏季休暇も、折り返し地点。普段の1部練習とは違い、1日2回の練習と、紅白戦も頻繁に行われるため、いつも以上に丁寧に体の管理をする必要性が出てくる。現に、怪我人も多数出る中、復帰に向けた体作りは欠かせない。この体作り、スタミナ付けは、全選手に共通する課題。今の自分よりも、少しでも多く走れるようになること。少しでも良質の筋肉量を増やすこと。
 一方で、秋季(後期)リーグ戦に向けた課題克服も着々と行われている。後期躍進のためには、前期課題として出てきた、攻撃の組み立て、連動性の向上が鍵を握っている。これは、学内新聞『ニュース専修』8月号で、「秋季リーグ戦展望」内村慧主将のコメントとして1面にも載っている。
 只、今の専大の攻めを見直したとき、今よりもっと迫力ある攻めが出来るように思えてならない。迫力とは、厚みのある攻撃のこと。2枚目、3枚目の選手の攻撃参加がどれほど相手チームの脅威となっているか。客観的に見たとき、まだまだそこまでの迫力は感じない。展開力は確かにある。ただ、何のための展開力か疑問に思ってしまう。セットプレーはもっと取れるはず。CKのチャンスを増やすことも大事。やり切っていくこと。繰り返しチャレンジされることは、DFにとって嫌なもの。押し込まれるのはもっと嫌。中途半端なシュートはいらない。攻撃にチャレンジ精神とチャンスが欲しい。中途半端な攻撃に対しては、DFが注文を付けてやってもいい。FW、MFは互いのイメージをもっと共有したり、ぶつけ合う必要がある。


 強いチームが、同時に魅力を持ち合わせていくのは難しい。これは、サッカーに限らず、一人の人間に置き換えてみても同じかもしれない。能力ある人間が、必ずしも魅力ある人とは限らない。今の専大サッカーを、かつての「パスサッカー」と形容するのは逆に失礼かもしれない。失点力をここまで抑えられるようになってきた今の強い専大。ここから、どうなりたいのか。兆戦はまだ始まったばかり。それでも、一人一人を見たとき、魅力ある人間がそろった専大。専大には、魅力と迫力を持ち合わせたサッカー体現の可能性を感じる。

ここで欲しいあいつからの1本

 8月の風は、朝と夕では何かが違う。単に伝える温度の違いじゃない。その違いは、肌に投げかけてくる風自身の「感情」の違いにさえ思える。それでもやはり同じ一陣の風。


 大学サッカーは、現在、いつもより時間を避ける夏季期間を生かし、プロチームやユースチームの選手たちと試合を組むなどして、普段対戦する機会のないチームとの試合が多く組まれている。同時に、学生はテスト期間終了と同時に今年も暑い熱い2部練習が始まる。いよいよ大学サッカー夏本番といったところか。
 トップチームを中心として、より高いレベルのチームと闘う機会が増えるこの時期、自分たちのサッカーを見失うことなく、暑さや状況に左右されない強い軸を築くチャンス。厳しい戦いが予想されるが、ここで得たものが、後期リーグ戦の内容と結果に繋がっていく。
 また、今後の戦いに向けチーム再編成後初めて行われたBチーム対抗紅白戦では、各チームの問題と色が出始めてきている。Iリーグの試合を前に、順調な仕上がりを見せるチーム、勢いの波に悩むチーム、決定力強化を目指すチーム。どのチームも、夏季を境に一つ上を目指し、次のステージを狙う姿勢に変わりはない。その中で、チームとしての課題だけでなく、選手自身の課題とも向き合う必要性が出てきている。
 試合の中やピッチで、あと一歩のプレーが出ない選手を見ていると歯がゆくなる。その気持ちは互いに同じかもしれない。特にゴール前など、決定打を奪い合うシーンでそれが顕著に出る。体に当てれば(またはミートさえできれば)1点の可能性が高まる場面。確実にクリアをすれば相手のチャンスの芽を潰せる場面。一声呼べばラストパスへと繋がる場面。チャンスはあと一歩のところにきている。体現まであと一歩。ただ、意外とそのチャンスに本人は気づいていないものだ。
 この夏、今の今まで踏み込めなかったあと一歩をものにする。チャンスはいつ目の前にやってくるか分からない。意外とすぐそこにきているものだ。チャンスを狭めてはもったいない。夏の暑さはやって来た。専大魂の熱さもここからさらにもう一歩。可能性は自分の手足で見出す。どの評価を信じるか、最後は自分で判断する強さも必要。そして、信じて何度もやり抜くこと。
 

 もちろん普段話しすぎる選手なら、孤独に触れてみる。普段寡黙な選手なら、積極的に前に出て話を広げてみる。価値観の違いに目を向け、苦しみながらもそれを楽しむ強さを身につけていけたら可能性も更に広がる気がする。さまざまな評価の違いを知ることが、新たな自分・選手・チームの可能性に繋がる。意識の擦り合わせ。互いのイメージの共有、尊重。課題は嬉しいことに、まだまだある。