泣き喚いていたはずの蝉はいつの間にか姿を消し、
樹々は鮮やかな色を纏い、
青い空に冷気が張りつめる。
季節の急激な流れを肌で感じ、
今年も終盤を迎えていることに気付く。
儚いほど終わりは一瞬で過ぎ去り、
私のことなど見向きもせず、
立ち止まる訳もなく、
新たな日々が淡々と始まる。
体育会サッカー部を引退して2週間。
時間はあっという間に流れていく。
いつだってそうだ。
17年間のサッカー人生も振り返ってみるとあっという間に過ぎ去ったなとしみじみ思う。そんな17年間のサッカー人生で得た学びや感謝を引退して間もないこの時期に文字にして残せることに感謝している。
拙い文章ではあるが、最後まで読んでいただけると嬉しい。
「結果は全て今の自分の実力」
こんな事、誰にだって分かっている。
私だって分かっている。
みんな分かってるはずなのに人は脆く弱い。現実を受け入れることができずに他人や環境のせいにする。
理不尽、挫折、誘惑、色々な要因に左右され、本質を見失い自分自身から目を逸らす。
4年間の大学サッカー。
私にとっては不完全燃焼で終わった。
2022年10月22日。
サッカー人生最後の試合。
結果は2-3で敗北。
負けたのに、
サッカー人生が終わったのに、
悔しさがない。
一切泣けもしない。何もない。
この4年間に対する後悔が一瞬にして私を襲う。
唯一私に残ったのは一生大切にしたいチームメイトとの出会いだけ。
サッカーと本気で向き合わずに目を逸らし続けた日々の結果だ。
終わって初めて分かる。
4年間の過ごしかたに対する反省。
最大限の熱を注ぎ込めなかったことに対する後悔。怠惰な4年間を痛感する。
何かに没頭できていれば。
別に本気になるものは何だってよかった。
サッカーでもアルバイトでも遊びであっても。
ただその物事に誇りを持って最大限の熱量を注ぎ込んで没頭できていたか。
そこだけだった。
全てを中途半端に過ごした4年間が不完全燃焼に繋がっていた。
自分に対する甘さ。
自分から目を逸らし続けた結果だ。
最大限の熱量を注ぎ込み没頭した結果、
挫折したって、
葛藤を繰り返したって、
困難に直面したっていい。
その経験がどれだけ大切か。
どれだけ人生において貴重な時間なのか。
その状況に正面から向き合い、思考し行動し不屈の精神で懸命にもがき乗り越えるからこそ本物の充実を手に入れられる。
楽しいだけの仲良しサッカーじゃ何も残らない。
こんなこと4年間が終わる前から分かっていたはずなのに、自分の間違いに気付いていたはずなのに、間違いを正すことを恐れて自分自身に嘘をつく。
今の自分は十分満たされていると言い聞かせる。
そして、今になって気付く。
その歩みは間違っていたと。
常に現状の自分を疑い、間違っていないか問いかけるべきだったと。
結果が出てから学ぶのでは、到底遅かった。
この学びを必ず活かす。
もう後悔はしたくない。
最大限の熱を注ぎ、好きなことに没頭して、必ず勝ち取る。
それが私を満たし、充実感に繋がると学んだ。
これに気付けただけでも無駄な4年間じゃなかったと思う。
最後の最後でサッカーが私に大事なことを教えてくれた。
22歳。サッカー人生が終わったからと言って、私の歩みは止まらない。
人生100年時代。
これからの人生のほうが遥かに長く険しい。
これからも私は歩み続ける。
死ぬ時に自分の人生を振り返り、これ以上の人生はなかったと思えるくらい懸命に生きたい。
誰よりも人生を充実させて、楽しみたい。
そんな人生を送ることが次のステップでの私の目標であり、私が生きる上での使命だと認識している。
後輩たちへ。
後輩に偉そうなことをを言えるほどの人間ではないが、1つだけ伝えたい。
それは先程も述べたが、「好きなことに最大限の熱量を注ぎ込み没頭してほしい。そして、必ず勝ち取って欲しい。」
別に君たちが頑張ろうと頑張らまいと誰も悔しい想いも後悔もしない。どうだっていい。
ただ君たちの大学生活が終わったとき、自分に誇れる4年間を過ごしているか。
自分にだけは嘘をつかずに懸命に生きれたのか。そこに尽きる。
別にそれがサッカーじゃなくてもいい。遊びだってアルバイトだって何だって。
今の自分にとって1番大事な好きなものに周りなんて見えなくなるくらい没頭したらきっと後悔などない素晴らしい日々を送れるはずだ。
その対象がもしサッカーだったら私は嬉しいし、サッカーにはその価値があると思う。
狂うほど貪欲に好きなことに没頭してる人はかっこいいし、そんな姿を大学生活でまだ目指せる君たちは羨ましい。
心の底から応援している。
同期へ。
良くも悪くも個性的なやつが多くておもしろくて、すげぇいいやつばっかりで、周りに恵まれたなぁと。感謝しかない。
プロサッカー選手、サラリーマン、それぞれの世界でみんなが活躍して楽しく人生を送れることを願う。
なんか落ち込んだときはいつだって励ますし、飲みに誘ってくれればいつだってどこだって飛んでいく。
そのときは一緒に酒に溺れよう。笑
家族へ。
5歳から22歳まで私のサッカー人生を支えてくれてありがとうございます。
悔しいときも嬉しいときも常に寄り添い支えてくれたことに感謝しています。
大学サッカーに1試合も招待できなかったのは自分の心残りではあるけれど、サッカーに本気になれてない自分を見せたくなかった。
許してほしいです。
17年間本当にありがとうございました。
サッカーに出会えてサッカーを17年も続けることができて幸せでした。
サッカーに対する心残りは家族一同、弟の出世に賭けよう。笑
最後の引退ブログでこんな反省や後悔を綴るのは、どうかと思ったけれど、
これは次のステップで自分が奮闘するための戒めだと思って書かせてもらった。
もちろん17年間のサッカー人生でいい想いも沢山させてもらった。
けど、やっぱり上手くいってるときに学べることは少なくて、上手くいってないときに人は多くを学ぶ。だからこそこの4年は自分にとって大きな学びで最後に言葉にできてよかったと思っている。
最後に、
これまで私に携わり、支えてくれた全ての方々にこの場を借りて感謝したい。
本当にありがとうございました。
私のこれからの人生に期待しててください。
まだまだ勝負はこれからな訳で、
ここからアクセル全開でいく。
こんな程度のインパクトで人生終わってたまるか。
めちゃくちゃおもしろい人生を自分の力で必ず切り拓いてみせる。
北川貴大