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部員ブログ

2023.12.09
遠藤太一
Bチームに所属している選手たちへ(完)

サッカーという勝負の世界において、

過程は「大切なもの」に対して、結果は「すべて」である。

結果よりも過程が大切なことは嫌というほど聞いてきた。

過程に拘ることで自身が成長し良い結果が生まれるのは分かる。

だけど、

その結果が出なければ組織の雰囲気はよくならない。

俺はどんなに負け続けていても最高の雰囲気で練習に取り組めるチームを知らない。

残酷だが「結果」が組織の雰囲気を作る。

 

そうは言っても、結果は「きっかけ」を作るだけだ。

良い雰囲気を継続し成果を生むためには結果ではなく「熱」が必要だ。

「熱は伝染し、組織を変える」

運やタイミングによって、

たまたま出た結果で、良くなった雰囲気を、

継続するためには強烈な熱を発信し続ける人が必要だ。

そしてその熱が隣のやつ、また1人隣のやつへと伝染していく。

その範囲が広くなることによって「残留」という成果を残せる

 

2023シーズンのBチームにおいて

熱の発信源は自分だったと自負している。

「Iリーグで日本一になる」

開幕前にでかい目標を掲げ、みんなが死に物狂いで達成しようと闘った。

モチベーションビデオを作った。

セットプレーも仕込んだ。

分析も全員でやった。

しかし、いざシーズンが始まると

「開幕から7連敗」

びっくりした。

こんなはずじゃないと

夢であって欲しいと何度も願った。

次第に誰も「日本一」「優勝」

という言葉を口にしなくなった。

そんな苦しい中でも

自分だけは闘っていると思っていた。

声を出し、体を張り、勝利するために貢献していると

それが俺の持ち味で強みだからと。

しかし、今考えるとただ自分を正当化し守るための逃げだったと思う。

自分が気持ちよくプレーできるように、

自分がみんなから攻撃されないように、

自分が活躍するために、

自分がプロになるために、

全て自分のためだけに都合よくプレーし、

都合よく指揮官という権力を使っていた。

それに気づき、

変わったきっかけが、

7/22(A)vs関東学院大学だ。

この試合は、Bチームにとって3ヶ月ぶりの勝利。3ヶ月ぶりの勝ち点。

後半アディショナルタイムに

セットプレーで畳み掛けられ

失点してもおかしくない状況で

ピッチで全員が闘い走り声を出し、

ベンチから味方を鼓舞し、

時間を使う交代を考え、

必死に掴んだ勝利の瞬間の

狂ったように叫んだあの歓声と

全員で喜びあった集合写真が

自分の弱さを、

正面から向き合えない未熟さを、

それを権力にぶつけてしまう愚かさを、

気づかせてくれるきっかけだった。

そして、

10/7(A)vs産業能率大学

「すべては専修のために」

ラスト2ヶ月弱の行動を、

学生サッカー最高のパフォーマンスを、

強烈な熱を伝染させるための、

俺のモチベーションがこの試合で作られた。

負ければ、いや、引き分けでも降格がほぼ確定する重要な試合で、

気がつけば0-2

この絶望的なピッチ上で

来シーズンのことを考えていたのを鮮明に覚えている。

このまま行くと来年は2部だ。

後輩たちはこの舞台でプレーできない。

強かった専修が、

関東4連覇したあの専修が、

来年はIリーグ2部を戦う事になる。

そんな事あっていいのか。

その現実を受け入れられるのか。

そんなことを考えていると

自然と今までで1番声を出していた。

そこから、千田のスーパーゴールを皮切りに、

本田のゴールで追いつき、

千田のゴールで勝ち越した。

この奇跡の大逆転勝利をきっかけに、

自分のためではなく、

他の誰かのために、

この組織のために、

専修のために。

行動や思考、意思決定の全てにおいて

「すべては専修のために」

これが最初につくようになった。

そこから、

練習での振る舞い、

苦しい時こそ声を出し続けること、

サッカーを全力で楽しむこと、

今までプロになるためにすべきだった事を

何の苦もなく心の底から自然とできるようになった。

守備が苦手で、体を張るのが怖くて、空中戦が嫌いだった俺が、

球際で体を張り、空中戦で接触を恐れず、クロス対応で完璧に跳ね返せるラスト2ヶ月だった。

そして、

俺のこの熱量が、

サッカーに対する思いが、

この組織のために闘っている姿が、

他の選手に伝染したと思う。

隣のやつが1対1で闘い、

後ろのやつが体でシュートを防ぎ、

前のやつが死ぬほど走り、

またその前のやつが前プレをかけて点を決める。

恐らく、最初は小さな火種だったと思う。

俺の声なんて耳障りな雑音にしか思ってなかったやつもいるかもしれない。

だけど、

その熱を、

そのエネルギーを、

消す事なく灯し続けることで、

人を、組織を変えることがある。

それが開幕7連敗で、

半年間でたった1勝しかしてない、

降格まであと数センチのチームが、

ラスト1ヶ月4勝1敗という結果を残し、

「Iリーグ1部残留」

という成果を残すことができた。

 

この1ヶ月は本当にすごかった。

連戦で体は限界を迎えてるはずなのに、

90分走り切るやつがいて、

試合開始1秒から全力で前プレするやつがいて、

自分も試合に出たいはずなのにベンチから盛り上げる声を出すやつがいて、

足が痛いはずなのに点を決めたらダッシュで飛び出してくるやつがいた。

こんなやつらの雰囲気が大好きで、

こんなやつらとサッカーをするのが楽しくて、

大学サッカーを引退して1ヶ月が経った今、

引退ブログを書きながら涙が止まらない。

 

4年間で一回ぐらいはバズらせたいと思い、

何度も修正し良い文章にしようと、

毎回手を抜くことなく時間をかけて書いてきた部員ブログ。

最後も、その気持ちがあったけれど、

Bチーム全員の引退ブログを読み終わり、

いざ書き始めたら、

感情に任せた文章になってしまった。

だけど、これでいいや。いや、これが1番だ。

上部だけの熱量じゃなくて、

気持ちで書いたこの文章が、

これを読んだ誰かの、

来年を闘うきっかけになり、

その熱が伝染して、組織が変わり、

強い専修を取り戻すかもしれないから。

専修大学体育会サッカー部Bチーム指揮官 遠藤太一

 

 

【2年生】
春海
走れる。とんでもなく走れる。戦術は全く分かってないけど、その走り続ける姿勢はBチームにエネルギーをもたらしてたと思う。

一樹
ゴールという目に見える結果でチームを救ってくれてありがとう。中盤戦の途中から一樹が入ってくるワクワク感が心の支えになってた。

ひろ
気持ちが乗っている時しか闘えない。だから試合に出せないって思ってた時もあった。だけど、関学戦や終盤戦の勝利のために走り闘い最高のテクニックで差を生む姿を後ろから見ていて感動したよ。

みなぎ
俺の隣で対人に勝ち続けてくれてありがとう。左SBがみなぎで安心したし、それが俺のプレーの良くなる要因だったよ。

千葉
怪我前は人の前だけいい子ぶってるダサいやつだと思ってた。だけど、うまくいかない時でも下を向いていないように見せる事ができるのはチームの士気を下げない大事な要素だと千葉から学んだ。

こで
チームが勝てない中、2年生でコンスタンスに出続けて考えることが多かったと思う。それでも絶対に失わない身体操作とボールタッチはぶらすことなく続けてくれたおかげでチームが崩壊しない頼みの綱だった。

なる
何度お前をベンチに入れたい、試合に出したいと提案したことか。アップやパスコン中の声出し、試合前の54321とかチームの雰囲気を盛り上げられる天性の才能を持ってる。来年はまーーじでお前が組織を良くしていけよ。

ゆうと
心の底からサッカーが大好きで、上手くなろうとしている姿に本気で心を動かされた。試合に出れない中で自主練し続けて、どうしたら良くなるかアドバイスを求めてくる姿勢は全てのサッカー選手の手本だと思う。

ふみ
ベルマーレとのTMで「奇跡ー」って言っちゃったのはごめん。調子が上がらない中でも自主練し続けたり投げ出さない部分に感化されて、俺もクロス対応の自主練をするスイッチが入ったよ。

とも
試合の入りがいつも良くない。けど、流れに乗ったら仕掛けられる・守備で追える・クロス上げ切れる・ヘディング勝てるとすごいアタッカーでチームの武器だった。

椋野
おまえはブログを適当に書くやつだからこれを読んでないかもしれない。奇想天外なプレーや思考は最初戸惑ったけど、流れを変え勝利を引き寄せる1つの大きなきっかけだった。だからラスト1ヶ月は信頼を勝ち取り試合に出て続けたんだと思う。

【3年生】

負け続ける中で試合に出続けて守備の要として大きな責任を感じさせてしまっていたと思う。そんな時でもチームが良くなるために勝つために考えて発言し行動できる精神力は間違いなく来年のキャプテンをする上で大きな武器になるはず。

たくま
自分に矢印が向いていない時が多々ある。いつも終盤戦になると自分と向き合い、自分に素直になり、プレーも言動も良くなってる。駒澤、日体戦なんてそれの表れじゃん。来年はキャプテンとして年間を通じてその姿勢を見せていくんだよ。

そうし
怪我をしたのに練習を休むことなく毎日早く来続けてチームをサポートしていたのを見ていた。自分がプレーしないのに毎朝5時台に起きるなんて簡単なことじゃない。その心の強さと優しさと寛大さがそうしの全てにおける武器だと思う。

太陽
練習来てないから何もいうことないけど。怪我する前のボールを持ったら何かしてくれる期待感とこれは止められないと思うプレーで来年のチームを救うことを信じてるよ。

西尾
発言に気をつけなさい。西尾は良い意味でも悪い意味でもチームの雰囲気を作る影響力がある。その絶大な影響力をチームが最高の雰囲気になるために使える選手が西尾だと思うよ。


持ってる男じゃないの?点決める。なぜかいる。林の前にこぼれる。これは日頃から当たり前のことを当たり前に、みんなが嫌がることでも引き受けることができる林だけの才能だと思うよ。

晴也
今年も何度晴也に助けられたことか。いつも苦しい時に欲しい時にチームを救う結果を残してくれる。晴也のチームを作れたことは俺の誇りだし、これからも人間的な魅力と結果を残せる晴也でチームを助けてあげて。

智輝
俺が左SBの時は智輝が左SHがいいと思ってた。守備は声をちゃんと聞いて実行できるし、攻撃でもタイミングが合うことが多い気がする。でも1番は、ボールを持ってゴールに向かう姿が後ろから見ていてすごい好きだったな。

陽大
今年1年間本当に本当にありがとう。陽大の将来のためだからと言い訳して負けの現実から逃げていたことを謝りたい。辛く苦しい今シーズン、誰もよりもチームのことを考え、練習メニューを決め、戦術を決めて残留に導いたのは陽大だし、まじでキャプテンに選んでよかった。これから先も期待してるよ俺らのキャプテン。

【4年生】
雄心
今年サッカーしてないよね?雄心が1番悔しいはずなのにグラウンドではそんな姿一切見せず、ふわふわゆるいキャラでチームを明るくしてたね。頭がおかしいと思うことも多々あったけど、頼りになるかっこいいやつだよお前は。

明海
練習来いよ、頼むよ。なんで休んだ次の練習が1番調子良くて最高に怖い選手なんだよ。もっと一緒に大学でプレーしたかった。社会人チームではバケモンキックでまた驚かせてよ。

加々美
俺にあんだけ辞めろって言われたのに最後まで続けたのすごいね。大学は色んな人がいるよって話す時はいつも頭の中に加々美を思い浮かべてる。サイドチェンジの体の向きや反転、背後ケアの準備の仕方とか俺加々美のことめっちゃ参考にしてた。


誰よりも熱くデカく強いエネルギーを発信できる男。開幕戦で関東リーグのピッチに立っている姿を見た時は涙を堪えるのに必死だった。熱い男としてこれからも周りの人を盛り上げてくれ。

竜空
感情がわからない。どのプレーが嬉しくて、悔しくて、熱くなるのか読めなかった。それでもプレーは上手いしかっこいいし見てて幸せな気持ちになった。クールで憧れなやつだよ竜空は。

亮佑
あんだけ走れて闘えるのは承認欲求のためだったのか。目の前に亮佑がいて、走り、闘い、息を切らしている姿は感動するしもはや芸術だろって思ってた。俺が考えていることを亮佑に話し、それにプラスαのアドバイスをくれて上手くいくように支えてくれたおかげでこの1年間持ち堪えることができたよ。本当にありがとう。これからもよろしく。

倉田
お前とプレーがしたかった。レイソルで試合に出れない組で、高校の選手権で最後に戦い、同じ大学に入学する。それが倉田でよかった。俺の良さを引き出す何気ない声かけやタイミングがすごく心地いいし、俺の後ろはやっぱりお前がいいよ。

樹生
体はやっぱりおじいちゃんだったね。何度も言うけど樹生の闘う姿は心動かされたよ。ヘディングで闘い、球際対人で闘い、全力で走り駆け上がる樹生のプレーをもっと見たい。

錬成
俺らの勝利の女神。大人の指導者がいないカテゴリーでもはやサッカー部から隔離されてた俺らのサポートをし続けてくれてありがとう。死ぬほど熱い日の水汲みや試合のサポートの有り難みをいつもいつも感じてた。

涼斗
足元は本当に下手だけど誰にも負けないスピードを持ってるのにボール下げる姿にいつもイライラしてた。最後に覚醒してサッカー人生最高の涼斗を見た時は今チームを救うために取っといたのかと嬉しくなったよ。日常生活も含めてすべてありがとう。お前のおかげで人生が楽しかったよ。大袈裟だけどまじで。

千田
こんなに点決めるFW最高だよ。応援しているチームに1人は欲しいよね。空気読めなくて変わってるやつだけど結構好きだった独特な雰囲気。でも幹事やるならしっかり仕事して欲しいかも。


自分の中に強い意志があって意識がとんでもなく高い男。でもたまに何を言っているのかわからないことがあるし通じない時もある。敦のフィードバックで何度自分を客観視して修正し上手くいったかわからない。


1番近くで豪を見てて辛く苦しい4年間だったんだなって感じてる。最後Bに来てくれてありがとう。豪にはあんまり多く語らなくていいや、これからもよろしく頼むよ。

藤井
点決めないキャラじゃないの?最後のあのゴール感動しちゃった。陰で笑ってて被害者ヅラの顔得意な藤井は見てて面白かったよ。オールマイティで常に合格点以上のプレーをできる選手は藤井だけ。

本田
本田のプレーヤーとしての欠点をまじで見つけられない。強い、上手い、闘える、走れる、最強だろ。入れ替え戦のインフルであのプレーをする姿がタフさを最強さを物語ってる。

矢端
お前みたいな声を出さない選手が1番嫌いだ。だけど、何でだろう。隣にやばがいて、やばのプレーを見ていると俺も頑張れるし、何よりいない時の不安感がすごい。自分の意思持ってコツコツと冷静に心の中で燃え続けろよ。

乾太
4年間一緒に居続けて最後の最後に対応を間違えたことを謝りたい。ごめん。連敗中のチームを変えるために死ぬ気で闘う乾太が、最後にチームを救う選手として活躍してるのが嬉しかった。まさかあんなに熱くぶつかって泣くとは思わなかったよ。でもあれも結果的にチームにいい影響与えてたかもね。

秀斗
お前に俺の気持ちがわかるか。高校からの付き合いで、お前のプレーが大好きで、お前の1番のファンで、プロになるのはお前しかいないと心の底から思っていた選手の、サッカーを取り上げる気持ちが。もう来ないでくれと言うまでにどれほど思考を巡らせたか、頭をフル回転させたか、復帰後のお前のプレーをみてどれだけ自分の選択を悔やんだことか。俺はサッカー選手としてではなく1人の友達としてあの決断を下した。高校からの7年間俺をワクワクさせてくれてありがとう。夢を見させてくれてありがとう。お前のプレーが大好きだ。

最後に、

この4年間は正直最高で満足のいくものではなかった。

プロになるためにこの大学を選び、

関東1部リーグで活躍し続けることを想像していた。

そんな理想とはかけ離れた4年間だったが、

この学生生活に悔いはない。

それはここでは書ききれないほどの

気づきを、

選択肢を、

経験を詰むことができ、

最高の「人」と出会い、

サッカー選手としても、

人間としても、

成長できたからだ。

もし生まれ変わって大学を選ぶとしたら、

俺は、もう一度、

この「専修大学」を選ぶ。

この4年間のために、

サッカー人生のために、

高いお金を出し支えてくれた両親、本当にありがとう。

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